建築の注意点
さて、気にいる土地が見つかったとして、そこから建築設計や工務店選びはどのように進めるといいのでしょうか?
ひとつには住宅メーカーなのか、地元建築会社なのかという比較と選択の問題があります。
ここでも、体験談から例を出しますと、建築において、あとから、後悔の言葉を聞くことが度々あります。どんなことに後悔を感じているのでしょうか?
1.地元の材料・自然素材をもっと活用したかった。
2.別荘を建てて、ひと夏のうちにカビが生えてしまった。
3.家を建てた後、デッキや車庫を増築したが、デザインの統一感がなくなってしまった。
4.冬には別荘を使わなくなってしまった。
地域の特性を理解すること
建築というものは、土地と切り離して考えることはできません。まして自然素材を活用しようとするなら、なおさらです。
多くの住宅メーカーの仕様では、できるだけ地域性を問わずにクレームが少ない素材を使うことを主眼に置いているように思われます。
ところが、それが那須ではマッチしないのは言うまでもありません。
せっかく、このような自然豊かな環境を選んだのに、家の中が人工的な空間やましてやシックハウスでは、何のための移住かわかりません。
では、地元の建築会社なら安心かといえば、それもまた、疑問が残ります。湿気の問題など、地域の特性を理解しているはずなのに、基礎の作り方などは、ごく一般的な方法にとどまり、それ以上の工夫が見られません。また、別荘でも冬でも快適・便利に使える工夫をすればいいようなものの、別荘は避暑仕様のままで、凝り固まっているようなところがあります。
そしてまた、施工者と施主の感覚がずれているのが、最大の問題です。
地元の資源や技術の活用
木材(八溝杉)や石(芦野石)などの豊な地元資源、無垢の木を(プレカットではなく)手刻みで刻み、木組みをしていく、大工の熟練した技術はまだこの地に残されています。それをうまく活用していくためには、施工者と施主とのコミュニティ・ギャップをなんとかして埋めていくことが必要です。ここが、この地域で家を建てる場合、もっとも大切なポイントではないかと考えます。
では、そのコミュニティ・ギャップを埋めていくためには、どうすればよいのでしょうか?
1.地元の設計者を活用し、施主・設計者・施工者の三者で取り組むこと。
2.一方的に要求をぶつけるだけでなく、大工さんの考えや経験をうまく引き出す。
3.時間に関して、あわてずに余裕を持って依頼する。
家を建てるための計画
家を建てるということは、家族にとっては一大事業といえます。ところが、その一大事業に対して、考える時間や学ぶ時間が少ないのが、後悔する最大の原因といえます。後で新しい情報と接すると、その情報を知っていればもっと別の選択をしたかもしれないと思うと、つらいものです。
また、実際に自分が望んでいる形がどんなものかは、容易には把握できないのが普通です。
建築業者の場合、すぐにお金をはじいてくれるかもしれませんが、検討したり、プランをさまざまな角度から練り上げていく時間がとても少なく、また客観的な設計・監理を望むことは困難です。
施主もともに参加すること
那須で家を建てようとする場合、魅力のひとつは、地元の木で建てられるということです。
そして、その気になれば、木を選んだり、伐採に参加することも可能です。
こうした、木との出会いや対話というのが、家への愛着を増すことは言うまでもありません。
また、基礎や土間のコンクリートに自分自身の記念となる文字や装飾を刻みこんだり、さらには塗り壁の一部を自分でやってみたりと、家づくりを任せるばかりではなく、そこに共に参加してみることは、とても貴重な経験となります。
さらには、照明器具など、自己調達できるものは自分で購入してみるのも良いでしょう。コスト削減とともに、自分が主体的にコスト管理をしているという手ごたえを感じるはずです。
こうした固定観念を打ち壊していく方法は住宅メーカーでは無理ですが、那須では容易に可能ですし、私たちはそこに日々チャレンジしてきました。家づくりを通じて、那須での暮らしは始まるのだと思います。そして、そこに那須へ移住してきた真の目的と出会っていただければ、ともに喜びを感じることでしょう。