化学肥料と日本の農業

農作物に必要な成分といえば、窒素、リン酸、カリウム。これは、肥料三要素と呼ばれていて作物が生育するのには欠かせないものだといいます。
先日、農地水環境保全向上対策の役員会の席で、肥料三要素のひとつ、リン酸肥料を生産する原料の「リン鉱石」が輸入できなくなり、化学肥料が値上がりし、農業が成り立たなくなるとの話題が出て、驚きました。
そこで、ネットでいろいろ調べてみると、 今後この原料が入手しづらくなる状況がわかってきました。

リン酸は土の中などにも微量に含まれていますが、それだけでは作物の生産は維持できません。一年目はできても、繰り返して生産ができないのです。
日本は、現在リン鉱石を100%輸入に頼っていて、年間70万トンも輸入しています。

世界の肥料価格は2007年に2倍になったそうです。
リン酸肥料は5月12日に起きた四川省大地震の影響もあって、この3カ月でさらに2倍になったといいます。  穀物増産で、米国、中国、ブラジル、インドが肥料の原料を大量に買い付けていることも原因となっているようです。
リンは2大生産国の米中が食糧安全保障上の資源と位置づけ、中国は実質的にリン鉱石の禁輸措置に踏み切り、米国はすでに輸出を禁止しています。

 今後、さらに入手困難になれば、中国や米国以外の国も自国の農業のために禁輸措置に動く可能性もあり、日本の農業は窮地に立たされると云います。

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 飼料の値上がりで、酪農の経営環境が悪化

 穀物相場も主要輸出国の生産量減少、バイオエタノール需要、新興国での需要増加などの要因で高騰、また、今年度は飼料価格の高騰により国内酪農家の生産費が大幅に上昇し、経営環境が悪化していることから、生産者団体と乳業各社との乳価交渉により、三十年ぶりの生乳価格の大幅な引き上げとなっています。

 

 異常気象

オーストラリアは2006年、史上最悪の大干ばつに襲われ壊滅的な打撃を受けた上に、07年も干ばつが続き、小麦の収量は半分以下に激減しました。 この先、地球温暖化が進めば、干ばつは、より頻繁になるとみられています。

 

 食料の値上がり

雪印乳業は家庭用油脂類、家庭用チーズで値上げを決めました。規格変更では家庭用油脂、家庭用チーズ、家庭用食品で減量となります。飼料の値上げの影響で、卵も値上がりします。
小麦粉を材料とする食品は2007年秋から値上げし、カップラーメンは17年ぶりの値上げ、パンも24年ぶりの値上げとなりました。スパゲティ、食用油、ビール、味噌、醤油も値上がりしました。
バイオ燃料需要がサトウキビ価格をつり上げ、精製に必要な燃料用の原油急騰が加わり、砂糖価格が値上がりしました。
燃料の値上がりの影響を受け、漁業も漁に出られない、出る回数を制限しています。イカが値上がりし、カツオ、スケソウダラは需要も増えて値上がりしています。そのために鰹節やかまぼこ、ちくわにも影響しています。
飼料の値上がりと鳥インフルエンザと中国製冷凍ギョーザ事件、BSE(牛海綿状脳症)の影響で豚肉と鶏肉が大幅に値上がりしています。

 

 米の需要拡大

一方、穀物の値上げで食料品が上がる中、米の需要が伸びているそうです。
米でエタノールを生産をする試みもあります。
減反とエネルギー自給策としてはいいかもしれませんが、一方の食料問題と調和させるべきでしょう。
たとえば、穀物高騰で海外からの米の需要が高まれば、日本から米がなくなる可能性が出てくるのではないかと心配されます。
香港の高級レストランでは日本の米の需要が徐々に拡大しており、ヘルシーな高級食材として受け止められているようです。
また、中国への輸出も始まっており、富裕層の家庭消費や贈答用など高級食材として需要があります。 いずれにしても、米が食料自給率を上げていくキーであり、米で主要なカロリーを確保して乗り越えていくほかないかもしれません。

 

 循環型・ローカル資源の活用のほか、生き残るすべがない

原油価格は史上最高水準にあり、穀物生産がエタノールに流れ、飼料の値上がり、石油に依存した現在農業・漁業・酪農が打撃を受けています。
加えて、化学肥料の原材料が入手困難になるなど、世界の食料事情が大きく変化し、一部には食料危機との見方も出てきました。
資源の乏しい日本はエネルギーと食料を大きく海外に依存しています。エネルギーは原子力発電所を除くと4%の自給率で、そのほとんどは水力発電です。 一方食料では、平成18年度の日本の食糧自給率(カロリーベース)は39%にとどまっています。
ちなみに、栃木県では72%で、特に県北は農業生産の拠点となっています。
食料とエネルギーはローカルな資源を元に、自立したものでなければ、安全・安定が揺らいでしまいます。人が生きるために、必要な空気・水・食料・エネルギーの四つの要素だけは、自立させなければなりません。
これまでの海外に依存した物資の利用や、食料とエネルギーの依存は経済性や効率性を優先させてきた結果の産物です。
しかし、その依存体質には安心も安全も確保されません。
那須には幸いに豊富な土地と酪農・農業の基盤があります。そしてきれいな空気と水があります。その自然や生産をベースにしたバイオマス資源もあります。
効率を優先させた依存型体制が危機を迎えているいまこそ、ローカルな資源が循環し、相互に利益を及ぼすシステムづくりをしていかなければなりません。
農業の副産物を飼料やバイオマス資源とし、酪農の副産物の牛糞もバイオマス資源や有機肥料として活用し、適正な規模で、生産が持続可能なシステムにしていく必要があります。林業でも間伐材を使ったペレット生産や地産地消による家づくりなど、地域が活性化し、山が維持されるよう取り組まなければなりません。

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